長野県では、withコロナの就活を経験した先輩から話を聞くイベント「就活のセンパイ学生×学生 交流会」を8月11日、オンラインで開催しました。今回は、その様子をレポートします。
就活の現状を知ろう!
まず初めに、この日のイベントの進行役を担当したシューカツNAGANOキャリア相談室の高橋さんから、就活の現状について説明とアドバイスがありました。
高橋さん:
コロナ禍で、企業、学生、行政それぞれが就活のパラダイムシフトを体験して、選考スケジュールや試験内容にも変化がありました。リアルイベントが減り、情報自体も得づらくなったため、求人情報にたどり着かない、その結果、アンマッチのリスクが増えているとも言えます。
高橋さん:
内定はもらえても、自分が希望しているところからもらえるかどうかは頑張り次第。年内が企業との接点を持つチャンスです。今日、このイベントに参加している皆さんは、一歩進んでいるというか、もうスタートを切っているので、積極的に動いていってください。
ちなみに、シューカツNAGANOキャリア相談室は、東京・銀座にある長野県のアンテナショップ「銀座NAGANO」の4Fにあります。
担当コーディネーターがマンツーマンで、相談からエントリーシートの書き方、模擬面接まで親身になってフォローしてくれます。オンラインでの相談も受け付けているので、ぜひご利用ください。
⇒シューカツNAGANOキャリア相談室について詳しくはこちら
(※新型コロナウィルス感染症対策として、現在、シューカツNAGANOキャリア相談室では、通常の対面相談は実施しておらず、電話・オンラインでの相談のみとなっていますのでご注意ください。)
どんなセンパイ学生が参加したの?
当日は3人のセンパイが登場してくれました。
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Sさん
関東私立大学4年生(法学部)
「面接でコテンパンにされてシューカツNAGANOキャリア相談室へ行ったことが転機になり、後半は挽回。介護、物流、メーカー、金融、とにかくいっぱい受けました」 -
Yさん
関東私立大学4年生(商学部)
「コロナの影響で外に出られないので、逆に就活でもするか…という感じで、とにかくオンラインのインターンシップに参加。絞り込みをかけて早い時期に決まりました」 -
Wさん
関東私立大学4年生(政経学部)
「就活で一番大変だったのはスケジュール管理。生活費を稼いでいたバイトを休まなければいけなかったのが痛かったです」
3人のセンパイには、自己紹介の後、さっそく自身の就活を振り返ってもらいました。
- 私は自己分析はできていましたが、業界分析や企業分析が不足していて、企業と自分の志望動機をどうやってつなげればいいかを考えるのに苦労しました。
- 私は逆に、自己分析がうまくできませんでした。やってもやっても終わりが見えなくて…面接で何をアピールするのがいいかを決められなかった。客観的に見ることば難しくて、自分一人で考えてもどうにもならなくて、とにかくいろんな人に聞いて回りました。
- 苦労したのは、スケジュール調整です。書類選考で通るかは、連絡が来るまで分からないし、見通しが立たなくて大変でした。バイト先には就活中であることを話して、休ませてもらうこともありました。
- 今、思えば、どこでどんな情報を得られるかをもっとしっかり調べておけば良かったです。最初はいろいろな就活サイトに登録しましたが、結局1つしか使わなくなったし。地元の情報を知りたければ、シューキャリとか、ジョブカフェ信州でしたね。1対1で教えてくれるのが良かったです。どこか一つ、頼れる場所を作っておくと心強いと思います。
- 地元の情報となると、大学はあまり頼りにならなくて…。私は実家から、新聞の情報を送ってもらっていました。あとは地元の職安のサイトも良く見ていました。
- 振り返ってみると、SPIをもう少しちゃんとやればよかったと思いますね。秋ごろから対策していたのですが、数学が苦手で避けていたので…。周りは対策本を使う人が多かったです。サークルの先輩が相談に乗ってくれて、本も勧めてくれました。
- 私ももっと対策を練っておけば良かったです。SPIは確実にやっておいたほうがいいですね。ない企業は、ネットを使って対策するのがいいと思います。
不安や課題、聞いてみよう
センパイの振り返りを聞いた後は、参加した学生同士で不安や課題、聞いてみたいことについて少人数ルームに分かれて話しました。
最初はお互いなんとなく遠慮しながら…という雰囲気もありましたが、少しずつ話をしてみると「自分もそう」「同じ同じ」と徐々に打ち解けた雰囲気に。グループで話した後には、どんな意見が出たのか代表者に紹介してもらいました。皆さんの声をまとめてみると…。
- 大学で学んでいることと就職が結びつかない
- 大学で専攻していることを活かせる仕事をどうやって探せばいいか分からない
- インターンシップに参加できていない
- オンラインのインターンシップで得られるものがあるのか疑問
- 業界が絞れていないので焦って参加した
- 自己分析が苦手で困っている
- 県外にいると情報が入ってこない。特に中小企業の情報がない。
- 田舎と都会、どちらがいいか迷っている
- 民間企業か公務員か、決めきれない
はっきりと「ここが分からない」「これを聞きたい」という人よりも「漠然とした不安」「何からしていいか分からず焦る」という人もたくさんいる模様。話すうちに、似たような思いを持っている人が多いことに少しほっとしたような表情を見せる人もいました。
質問の中から高橋さんがいくつかピックアップして、センパイたちに問い掛けました。
Q. 内定を決めた理由は?
- 私はそこしか受からなかったので…。第2志望だったことと、内定後に教育実習があったので、そのまま決めました。実習がある人はそれを想定してスケジュールを組んだほうがいいと思います。
- 大学での知識が活かせるかどうかが決め手でした。あと、福利厚生や育児休暇取得の実績もしっかり確認しました。
- 私は神奈川と長野の企業から内定をもらったのですが、なかなか決められず、かなり迷いました。最終的には、地元企業の方が貯金できることに加えて転勤の自由があったので、将来の選択肢が増えると思いました。
Q. 業界、職種の絞り込みは?
- 文字で見ただけでは分からなかったので、合同説明会で企業の説明をたくさん聞きました。そこから「身近な人に貢献できるかどうか」をポイントにして絞っていきました。あっ、このポイントを言葉にしてくれたのは高橋さんです(笑)。シューキャリに行ったおかげです。
- 夏、インターンに応募していたときはまだ絞っていませんでした。業界研究も兼ねてインターンに参加して、消去法で向いていないと感じたところは外していきました。「好き」ではなく「嫌ではない」を基準にして選ぶ方法もあると思います。
- 最初のうちは、「経済」を広くとらえて、いろいろな視点でいろいろな業界を見ました。最終的には大学で得た知識をどう活かせるかを考えました。今の時期は絞ることよりもたくさんの情報に触れることが大事だと思います。
イベントを終えて…
イベント終了後、就活生の話を聞いた印象と今後に向けたメッセージを伺いました。
- 私も絞り込めず迷っていた時期があったので、その頃の気持ちを思い出しました。不安なときに寄り添ってくれる人や場所があると心強いです。シューキャリのように1対1で話せる場所でもいいし、もちろん友達同士でもいいので。就活は長期戦なので、焦りすぎず、でもスケジュールを意識しながら取り組めるといいと思います。
- 私は去年、このイベントに参加して不安が解消されたので、今回は自分が就活生の力になれればと思って話しました。選考が始まると、通ることが自信になるので、とにかく動き続けることが大事です。就活は大変ですが、「いろいろな会社を知る機会」と考えて、他とあまり比べずに自分のペースで頑張ってください。
- 私も去年参加していたので、今回、メンター側で出られてうれしかったです。就活中は波があって、苦しい時期もありましたが、シューキャリで話を聞いてもらったり、趣味に没頭したり、選考でダメでも、「自分を落とすなんてもったいない」と気持ちを切り替えて乗り越えました。就活は人生の一時期。「新卒」と言われるのもこのときだけなので、後悔のないようにやり切ってほしいです。
3人のセンパイの体験、参考になりましたか?
県では今後もさまざまな形で就活をする学生の皆さんに向けたイベントを開催していく予定です。イベントは、LINEやメルマガで最新情報をお届けしているので、ぜひご登録ください!