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信州の未来を担う、挑戦者を求む長野県知事・阿部 守一

長野県知事 阿部 守一

コロナ禍を乗り越え、地域とともに発展する信州企業

新型コロナウイルスの影響で、長野県でもさまざまな産業が荒波にもまれています。
しかし、決して全ての企業の業績が落ち込んでいるわけではありません。世界に誇る高い技術力を持つ製造業では、コロナ禍でも確実に業績を伸ばしている企業が数多くあります。特に大きな影響を受けている観光・飲食・ 交適事業者も、厳しい環境の中で前を向き、工夫を重ねて乗り越えようとしています。
例えば宿泊業では、「安全・ 安心」 「長期滞在」 「リピーター獲得」を新たな3本柱とし、人混みを避けて地方でゆっくり過こやすニーズの高まりやテレワークの急速な普及といった変化を捉えて、宿泊施設などに滞在しながら仕事をする「リゾートテレワーク」を積極的に受け入れています。ほかの産業でもアフターコロナを見据えた新たな取り組みに挑戦しているので、コロナ終息後には長野県産業の底力が発揮されるはずです。

地域や社会の持続的な発展を考える上では、SDGs(持続可能な開発目標)の実践も重要な視点です。長野県は「SDGs未来都市」として、全国に先駆けて2019年に 「SDGs推進企業登録制度」を創設しました。現在1000社を超える企業が登録し、SDGsの推進を経営方針に取り入れて活動しています。
県内企業は、SDGsという言葉が出てくる以前から、子どもの支援や森林保全など、社会的活動にしっかり目を向けて、地域とつながり、地域に貢献しながら一緒に発展してきました。そうした歴史があって、今、多くの企業の積極的な取り組みがあるのだと思います。
コロナ禍を乗り越え、地域とともに持続可能な社会づくりに挑戦している長野県の企業に、ぜひ目を向けてみてください。

変化の激しい時代だからこそ「自分がやりたいこと」を

人口減少・ 少子高齢化の進行、社会の急速なデジタル化、頻発化・激甚化する災害、脱炭素社会の実現に向けた動き、そして新型コロナウイルス。さまざまな要因によって、私たちを取り巻く環境は大きく変化しています。
このような変化の激しい時代だからこそ見失わないでほしいのは、「自分が本当にやりたいこと」です。
「働く」ということは、単に収入を得るということにとどまらず、やりがいを得るとともに、人生のかなりの時間を費やすものです。コロナ禍では「エッセンシャルワーカー」という言葉が注目されました。目立つことは少ないかもしれないけれど、その仕事をする人がいなければ社会が回らないー。そうした職業がたくさんあります。また、男女の分け隔てなくさまざまな仕事に取り組めるような企業や、多様なライフスタイル ・ニーズに合わせた働き方ができる企業も増えています。
固定観念にとらわれずに、自分に適した仕事は何か、どのような方法で社会に貢献できるのか、就職活動を機によく考え、挑戦していってほしいです。

自然豊かな「ふるさと信州」で充実した人生を

3000メートル級の山々に囲まれた長野県は、美しい自然や地域特有の伝統文化、豊かな食文化など、世界に誇れる魅力にあふれています。県外に出た方は、あらためてその魅力を感じたのではないでしょうか。
コロナ禍で人口の密集した都会暮らしを窮屈に感じ、自然豊かな地方で暮らしたいと考える人が増えてきています。実際に長野県でも、東京都との間で転入者が転出者を上回った時期がありました。
長野県では通勤で満員電車に長時間揺られることからも解放されますし、休日にはスキーや温泉などのレジャーを身近で楽しめます。大都市へのアクセスも良いので、必要な時にはすぐに出掛けられます。また県としても、リカレント教育やリスキリングといった働く人の学び直しにも力を入れており、就職後もさらにさまざまなことに挑戦できる環境が整ってきています。
移住先としても人気の高い「ふるさと信州」で働き、暮らすー。長野県出身の方はもちろん、県外出身の方にも、より充実した人生を送るための選択肢の一つとして、ぜひ考えてほしいと思います。

  • 阿部 守一長野県知事
  • 東京都出身。東京大学法学部卒業後、1984(昭和59)年、自治省(現総務省)に入省。2001年1月に県企画局長、同年10月から04年7月まで副知事を務めた。10年の知事選で初当選し、現在3期目。

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